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さて、「今日の一言メモ」第708回です。
「智に働けば角が立つ」
智に働けば角が立つとは、理性のみで動こうとすると、人間関係がぎすぎすするため穏やかに暮らせなくなるという意味です。
夏目漱石の『草枕』冒頭にある「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」から引用された言葉です。
「智」は「知」とも書くそうです。
理性・情・意地のバランスをとるために柳を見習う
世に「木強ければ折れ易し」と言います。柳の枝は、細くて頼りないですが、どんな強風にも逆らわずにいることで、決して折れません。
人間も、心を堅く閉ざしていると、人生という激流に翻弄されまいと踏ん張ってしまい、結局心折れてしまいます。
かえって、激流に翻弄されているように見えて、巧みに泳ぎきることで、心折れることなく、しなやかにしたたかに生きていけるでしょう。
人から攻撃されたり、逆境に立たされた時に、真っ向から反撃したり、無理に立ち向かったりせず、うまく抵抗をかわしながら被害を最小限に留めることが有効な対処だと思います。
そして、相手の力をうまく前に進む動力に生かすことができれば、かえって相手のエネルギーを削ぐことも可能です。
何事も、一時の意地に拘ってはいけないでしょう。退却する時は、さっさと退却することに躊躇せず、無駄なエネルギーは使わないことです。
抗いきれない同調圧力の強さ
深夜の銀座でマスクもせずに大宴会を強行した厚労省職員の多くが新型コロナウイルスに感染しました。自業自得といってしまえばそれまでですが、気が進まずイヤイヤ参加した職員で感染した人もいたかもしれません。
もし、そうした人がいたら「なんで参加してしまったのだろう、なんで断らなかったのだろう」と後悔の念に苛まれていることでしょう。
では、なぜ常識外れの宴会に参加せざるを得なかったのでしょうか。こちらの記事によると、厚労省の前身である厚生省の系譜を辿ると、旧日本陸軍にたどりつき、今でも軍隊組織の文化を色濃く残していることが、その理由としてあげられています。
そして、課長なり組織の長が決めたことは、社会の常識外のことであっても絶対服従というカルチャーだったようです。
そうだとすると、一般世間の常識や理屈など問答無用で退けられ、組織の論理が一番になってしまうのは容易に想像できます。
そんな中で一般社会で常識的な行動をとれば、「貴様、上官の命令が聞けんのか!厳罰に処す!」とまでは言われぬまでも時代錯誤の対応をされたことでしょう。
もしそんな組織だとしたら、日本の行政組織の中で中央官庁として君臨していること自体が恐ろしいです。
常識の通じる世界に身を置き、柳に風の生き方を通す
いずれにしても、まずは環境を選び常識の通じる世界に身を置くのがまず一番と考え、今そうでない世界にいるのならまずはそこからの脱出を考えましょう。
そして、逆風が吹いても無理に立ち向かったりせず、うまく抵抗をかわしながら被害を最小限に留めるように努めていくことが肝要でしょう。
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さて、今日はここまでにしますね。
ではまた!
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(2021.4.26記)